2017年「ささ木の12ヶ月」は煮物をテーマに展開する。
お椀、ご飯、焼き物、八寸と続いた。煮物はじつは地味な存在である。
そして仕事もまさに地味。決して主役になることがないが、佐々木は
「湯気の存在をもう一度考え直したいです」と話す。
常に、これまでの仕事を振り返り、そこから新たな世界観を生み出すのが佐々木である。
煮物には出汁と食材の割合が大きな要素を占める。
そう思うと、煮物を担当する料理人は大将の次を担うのだ。
こう書くと、いかに「煮物」が日本料理の中で大事なことか理解していただけるにちがいない。